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それは遥か昔の…【16】

「それって意識の底ってやつだよな?俺もあそこには俺自身がいた。しっかし、自分を攻撃して相手を制するなんてよく考えたよなー…。俺なんて受け入れるだけで精いっぱいだった。」

「きっとお前のほうが正しい。
自分を知り敵を知らば百戦危うからずと言うだろう?
俺は俺自身を倒すことができなかった。
いや、俺自身だからこそ倒すことができなかったのかもしれない。
だが俺はそれでも後悔はしていない。
きっとあれは意識の底で見た幻影かもしれんが、同時に俺自身の魔力も解放させることになった。
ナーガル、お前にとってはそれは負の感情を受け入れることで、俺にとっては魔力を俺自身にぶつける恐怖を克服することで受け入れたのかもしれない。」

「難しいこと言うよな~」

ナーガルは頭を抱えた。













アイバフ地域、渦の海辺。

『死んだか。なんともあっけないことよ。』

古代神官は冷めた目で倒れているファルシャを見下ろしていた。
動く気配がないことを確認すると、古代神官はファルシャに背を向けた。
その瞬間、ファルシャの指がピクリと動いた。

「うっ…」

ファルシャは杖を握りしめて起き上がった。

「待てよ…!」

驚いたように古代神官は振り向いた。
そしてさらに驚いたかのように1歩後ずさった。
赤黒いまがまがしいオーラがファルシャの周りを渦巻き、目が異様なまでに爛々と輝いている。
左手に炎を集めると、その魔力の炎に呼応するように周りの赤黒いオーラが強くなり、その一部が魔力の炎を包み込むように移動する。

『貴様…!自分で魔力の封印を解いたというのか!』

「フンッ!封印かどうかは知らんが、俺はありがたくこの力を利用してあんたを倒す!」

ファルシャはあらゆる攻撃魔法を古代神官に浴びせた。
それは先ほどとは異なり、確実に古代神官にダメージを与えた。
弱った古代神官は最後の力を振り絞るように杖を支えに立ち上がった。

『ククク…!貴様に一つだけ呪いを残してやろう。貴様は永遠に力を求め続けなければならん!どれほど強くなろうと…どれほど尊敬されようと、貴様の心は満たされることなくあくなき魔力の探求を続けるのだ!ははははははは!』

「ほざけ!!!!!」

その言葉とともに放たれた魔力の炎で古代神官は燃え上がった。
そして後には一本の杖だけが残された。
その杖を拾い上げると、大急ぎでフロックスの神殿に戻った。




イグニス地域、フロックスの神殿。

戻ってきたファルシャに、アンデリクは驚いたように瞠目した。

「まさか本当に行ってくるとは思っていなかった…。君の気持はよくわかった。跪いて聞きなさい。」

ファルシャは無言で跪いた。

「ヴァイエルン・アルマンにも説明されたと思うが、今まで私達は私たちに何の慈悲も興味もないフロックスに盲目的な信仰をささげてきたのだ。しかし、私たちに帰ってきたのは滅亡の運命だけ。これからダークエルフはフロックスに対する信仰を捨て、自主的にダークエルフの運命と魔法を創っていくのだ。こちらへ来なさい」

そう言われて案内された場所は、フロックスの神殿の裏側にある熱い溶岩が流れる川だった。

「紅炎のトカゲの目を燃やす時に、今まで持っていた世界への視野も捨てなさい。」

ファルシャは無言で紅炎のトカゲの目を溶岩の中に投げ込んだ。
それはしばらく溶岩の中をゆっくりと流れていたが、やがて解かされて消えていった。
フロックスを信じ崇める者が目として使っていた存在。
その目を燃やすことで、フロックスというダークエルフにとって絶対的な存在として見ていた自分の目はもうなくなるのだろう。
この試験を通してファルシャは様々なことを学んだ。
そしてフロックスはファルシャにとってはもはや絶対的な存在ではないのだ。

「そして、火山の杖を燃やす時に、今まで持っていたフロックスへの信仰も捨てなさい。」

その言葉に、ファルシャは少し火山の杖を見てから溶岩の中に投げ入れた。

さようなら、俺たちを作ってくれた神よ。あんたが俺たちを作ってくれたことは感謝している。だが、俺たちの救いを求める声を聞かない神は俺たちにとっては必要ないんだ。これからは俺たちが自分で未来を切り開いていくしかないんだ。

投げ込んだ杖は一瞬溶岩の流れに乗ったように見えたが、次の瞬間炎を上げて燃え尽き、跡形もなく消えた。
しばらくファルシャとアンデリクは無言でその場にたたずんでいた。

「君に私の昔の話をするのは良いことかはよく分からないが、私はパスカル・ヴィスティールにほぼ追い出されたようにフォーラムの代表席を奪われた後、もう飾り気と虚栄しか残っていないモントに残りたくなくてここまで来たのだ。私は本当にモントに失望した。」

「じゃあなんであんたは遠い場所に行かなかった?」

アンデリクはシニカルな笑みを浮かべた。

「実はここにも残っていたくなかったが、ジョルジュ・リオナン陛下の命を受け、フロックスを拒否する儀式を何千回も行っているのだ。上の者が模範を示すべきだという名分を出されてな。これはアイロニー(皮肉)だと思わないか?フロックスの大神官である者にフロックスを拒否する儀式を行わせるなんて!」

「それがあんたの本音ってわけか。じゃああんた自身はどうなんだ?」

「私か?私はフロックスを信じるも何も、ダークエルフが信じることができないことのほうが先だ。それに、もし本当にフロックスを信じていたら陛下の命令とはいえこんなことをするはずがないだろう。少なくともフロックスからの罰を恐れてとうの昔に辞任するだろうな。」

その言葉にファルシャはフッと笑みを浮かべた。

「あんたみたいな素直なダークエルフが神官でよかったよ。古代神官のように盲信的な奴はお断りだ。」

「君も大概素直だな。だが、私には君のそういうところが好ましい。君がウィザードになるためにどんな過程を経てきたのかは知らん。しかし、君の中にある魔法に対する情熱と君が目指している確実な目標があるということはわかる。では早くウィザードになるのだ。ウィザードになって今まで君が知らなかった力と知恵を得、より強くなれ。君の世界が君の目の前に開かれるように。モントに戻ればジョルジュ・リオナン陛下が君の魔力を解放してくれるだろう。私のモントへの失望は大きいが君なら信じてみてもいい気がする。」

「あんたみたいなダークエルフに会えてよかった。心遣い感謝する。」

「君の未来に期待できるな。ここまでにも君の名の知らせた伝わってくるように願う。このイグニスの果てにある辺境の地までな。そうすれば止むを得なく伸ばしてきたこの命も少しは喜べるだろう。では、行け。このたびがウィザードになるための最後の旅になるだろう。」

「かたじけない。」

カバンの中からタウン帰還のポータルストーンを取り出すと、「モント、ダークエルフタウン」とつぶやいて石を頭上に投げてモント入口までワープした。

「これから君は神ではなく、自分のために長い戦いを始めるようになる。がんばるのだ。」

その呟きは神殿のフロックスをかたどった像だけが聞いていた。


〈続く〉
_____

ぇ…いつ終わるんw



《END》
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