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それは遥か昔の…【11】

「それで、炎を閉じ込めた箱には何が入ってたの?」

「熱気が形を成して魔法属性のインプの姿をしていた。だが器となるモンスターがあまり強くなかったのか意外と簡単に倒すことができた。そいつを倒すとコアになるフロックスの熱気が出て来たんだ。とても赤い…禍々しいまでの赤…まるで血のような色をしていた。」

「俺達ダークエルフらしいよな~」

そうだな、とファルシャは小さく呟いた。













イグニス地域、首都モント。

「持ってきたぞ」

ファルシャは礼儀のかけらもなく冷めた目でエミリタ・リオナンにフロックスの熱気を床に投げた。
微かに苛立ちのようなものが感じられるのは気のせいだろうか。

「あんた…一体あいつに何を吹き込んだ?」

氷のように冷たいサファイアと炎のように燃え盛る紅の瞳でエミリタ・リオナンを見据えるが、エミリタは一向に意に介さないようだ。
それがますますファルシャのボルテージを上げた。
エミリタは落ち着いた調子でふうと息を吐いた。

「落ち着きなさい。ワタクシは何も教えてはいない。貴方を思うあの子が自分からやったことよ。でもね、よく考えてみなさい。フロックスは貴方を助けたの?あるいは貴方達に殺された魔物を助けようとしたの?」

その言葉にファルシャは息をのんだ。

「もし本当にフロックスが俺達を導く気があったなら俺は道に迷うことはなかった。もし神が俺達を滅ぼす気なら魔物にしかるべき救いの手を差し延べた。神が種族を殺せば、協力した種族は滅ぼさない契約をしたから。だがそうじゃない。俺達が殺し合おうとそれは神がそう仕組んだ滅びだから…か?」

「そう。魔物達がダークエルフの手で死んで行った時、神が彼らを助けてくれなかったように、ワタクシ達が死んで行く時も神は沈黙するはず。だから生き残るためには地上に残っている全ての魔力を利用し、より強くならないといけない。」

その言葉にファルシャはふっと笑みを浮かべた。
彼の中でつじつまが合ったのだろう。
ソファーに座り、エミリタが進めた紅茶を一口口に含んだ。

「なるほどな。だから俺にこいつを取りに行かせたってことか。ククク…面白いな。神の力をもって神を制す。あるいは力を弱めるために神の解体ってことか。いずれにしろ、神にすら反逆を企てる。俺達ダークエルフらしい。」

フロックスの熱気を手に乗せ、サファイアとルビーの瞳をぎらつかせるファルシャの方が、エミリタにはよほど凶悪な魔物に見えることにファルシャは気付いていない。
エミリタは戦慄を覚えながらも、この若いダークエルフの未来に少しの期待を抱いた。
あくなき強い魔力を求める探求心。
優れた魔法のセンス。
ウィザードと呼ぶに相応しいこの若いダークエルフにエミリタは微かに笑みを浮かべた。

「さあ、貴方に最後の教材を渡してあげる。この『魔法原論―ウィザードの全て』さてあれば、貴方もイグニスが認めるウィザードになれるよ。ヴァイエルン・アルマンの所へ行きなさい。それと、最後に一つだけ言っておくわ。」

エミリタはファルシャをまっすぐに見据えた。
その瞳は今までになく燃え上がる何かを感じさせる。
数多の試練を乗り越えた強い意志を感じさせる瞳。
ファルシャは何かに縛られたようにくぎづけになった。

「ウィザードになっとしても終わりではない事を忘れてはいけない。神に立ち向かうかどうかは貴方の自由だが、生き残るための戦いはこれからが始まりだからね。」

「ああ…わかっている。」

ファルシャは恭しく『ウィザードの全て』を受け取ると本を開いた。
じっくり時間をかけて読むと本を閉じてエミリタの元を去った。



「いつまで隠れているの?それとも寝たのかしら?」

静かに客間から寝室へ続くドアが開くとマントを羽織ったデカン族の中性的な顔立ちをした人物が出て来た。

「エミリタ殿、すまなかった。不愉快な気持ちにさせてしまいましたね。」

「そう思うなら心配なんかせずにあの子一人に任せるべきよ。全く…個人単位の種族間のつながりというものは理解不能だわ。」

クスリとデカンは笑って部屋に無造作に詰まれた『ウィザードの心構え』を手にとってパラパラとめくった。
ヴァイエルン・アルマンがウィザード志望のメイジに与える本であり、エミリタは「雑」と称した魔導書である。
エミリタはつまらなさそうにその様子を眺めていたが、デカンに座るようにすすめ、紅茶を出した。
デカンは小さく「ありがとうございます」とお礼を言ってソファーに腰掛けた。

「ファルシャに渡した本は一体どういう類いなのですか?」

私には魔導書はよくわかりませんから、とデカンは苦笑いを浮かべた。
なぜから、竜の騎士ことドラゴンナイトを承名し、戦士としての技を磨くこの人物にとっては、魔法とは無縁だからである。

「以前、エトンとリマ、モントが協定を結び、他種族と熾烈な戦争を起こしたことがあるの。その時にモントの魔法師達は万が一の場合、モントが侵略され貴重な本を奪われる場合に備え、多数の本を燃やし、残りの本は段階別に封印したのよ。」

「なるほど。秘伝術というわけですね。」

「そうね。ワタクシ達はフロックスによって創造されたと言われているけれど、混沌の気運を吸ったエルフから派生したとも言われているのはこ存じ?」

デカンはうっすらと笑みを浮かべて頷いた。

「エルフの手に渡れば、それはダークエルフにとっては脅威になる。ヒューマンに渡ればしかるべき策を練るきっかけになる。だからばれるわけにはいかない、ということですよね」

そう言ってデカンは優雅に紅茶を一口飲んだ。
戦士としての粗野な雰囲気はかけらも感じさせないのは、この人物を育てた者の教育の賜物か。
エミリタは黙って頷く。

「あの子は運が良かったのよ。あれはモントの中でも本当に貴重な物で、ヴァイエルン・アルマンだったら20~30年後にやっと話せるぐらいの上級教材なの。さ、もし少しでもワタクシの教育に感謝する気持ちがあるなら、早く行ってくれない?今晩は舞踏会の準備で忙しいのよ!」

「わかりました。紅茶、ごちそうさまでした。おいしかったです。」

そして部屋にはエミリタだけになった。


〈続く〉
_____
実に半年ぶりにの更新。

書いてて新鮮な気持ちになれましたし、ウィザードの転職クエストってつじつまが合いやすいと思うんです。

私だけでしょうか?

んー@2回くらいで、自分が一番書きたかったシーンを書けるかなー。
ただの自己満足と言われそうですが、ドラネスの某NPCによると、それが最高の快楽だそうでf^_^;

ま、誰も読んでないからねっ

自由に書きますよ!


《END》
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