2011.10.21
メイジの夜明 15
ナーガルはRENAを連れて再び先程デブトルの弟子を倒した場所に向かった。
しかしそこに弟子の遺体はなかった。
誰かが処分したのか、あるいは回収されたのか、それとも瞬時に灰になってしまうのか、ナーガルにはわからなかった。
しかし、特に不気味さは感じなかった。
それより、奥にいる人物に目が行っていたからだ。
「あそこにいるのが!狙う相手なんですね~?」
「うん」
ナーガルは相手を見つめると意を決したように岩陰から飛び出し攻撃を仕掛けた。
弟子と同じ見た目をした一番弟子は最初の一撃はまともに食らったものの、すっと杖を顔の前に持ってくると、なにやら呪文を唱え、上に突き上げ、振り下ろした。
途端にナーガルは巨大なハンマーで殴られたような衝撃を受けて足元が一瞬ふらついた。
飛びそうになる意識をどうにか保とうとナーガルはクラクラしながらも踏ん張った。
その間も一番弟子の攻撃は止む事がない。
RENAがマジックバリアをかけてくれたのが飛びそうになる意識でもわかった。
次第に意識がはっきりとし、ナーガルは反撃に出た。
ナーガルと一番弟子の攻撃の応酬が続く。
魔法を使いながら段々ナーガルの方が優勢になり、一番弟子はあちこちが焼け焦げてきた。
形勢が不利である事を感じ取った一番弟子は素早く指で空を切るように何やら魔法陣を書くと、ナーガルの胸の辺りに押し付けた。
ナーガルは一瞬何が起こったのかわからず、後ろに飛んだが、特に体に異常がないことを素早く確認し、左手に魔力を集中させた。
しかし一向に魔力の集中が起こらない。
焦ったように一番弟子の攻撃に応戦しながらも二度三度魔力を集めようとしたが魔力が集中する時に発せられる不気味な赤い光がなく、左手は青白いままだ。
「てめぇ…!俺に何をした!!」
相手は意地悪くニタニタ笑っている。
その瞬間、「カオスサイレンス」という文字がナーガルの頭の中を駆け抜けた。
「こいつ…!」
やってくれるじゃねぇか、とばかりにナーガルはシニカルな笑みを浮かべた。
カオスサイレンスは体内に流れるマナの流れを完全に止めてしまう。
そのため、マナを必要とする技が一切発動しなくなるのだ。
どの種族も多かれ少なかれ血の流れとともにマナの流れに依存している。
そしてこれは多くの攻撃魔法を扱うダークエルフやエルフのテンプラー、回復魔法や補助魔法を扱うプリーストにとっては致命的だ。
その時、呪文を詠唱する声が聞こえ、声の主が一言叫ぶと見えない何かが降ってきたかのように一番弟子がよろめいた。
エルフの、それもプリーストの攻撃魔法、マレアマインドだ。
神聖属性を扱うエルフの魔法はほとんどの相手に対して大きなダメージを与える。
まして邪悪な存在にはことのほか効果が大きい。
「古えの姿に戻りし杖よ…俺に力を…!」
ナーガルはザカリアスの激情を祈りを込めて握りしめると杖自身が生み出す魔力の固まりを一番弟子にぶつけた。
マナの流れは止まってしまおうと、杖には元々の魔力が備わっているので全く攻撃ができない、というわけではない。
武器がそもそも持っている持ち主の魔力や打撃力に感応し、よりダメージが上がるようになるからだ。
ナーガルは杖の魔力だけで一番弟子を倒した。
後には魔力の炎によって燃え残った灰だけが残ったが、風が吹いて灰が吹き飛ばされると、後には一冊の本があった。
タイトルこそ書いていないが、目的の秘伝書だろう。
そっとそれを拾い上げると、丁寧に埃を払った。
「戻ろっか、RENAちゃん」
「あいw」
〈続く〉
_____
懐かしいね…。
このMOBはスタンとカオスサイレンス使ってきたんだよねぇ…
当然ポイントの関係上サイレンス解除とか持ってるはずもなく^^;
戦闘シーンって難しいよね!って落ちで終わろう…
読んでくださる人がいるのはありがたいけれど実際に「見てます」と言われると穴を掘りたくなる微妙な心境の今日この頃
《END》
しかしそこに弟子の遺体はなかった。
誰かが処分したのか、あるいは回収されたのか、それとも瞬時に灰になってしまうのか、ナーガルにはわからなかった。
しかし、特に不気味さは感じなかった。
それより、奥にいる人物に目が行っていたからだ。
「あそこにいるのが!狙う相手なんですね~?」
「うん」
ナーガルは相手を見つめると意を決したように岩陰から飛び出し攻撃を仕掛けた。
弟子と同じ見た目をした一番弟子は最初の一撃はまともに食らったものの、すっと杖を顔の前に持ってくると、なにやら呪文を唱え、上に突き上げ、振り下ろした。
途端にナーガルは巨大なハンマーで殴られたような衝撃を受けて足元が一瞬ふらついた。
飛びそうになる意識をどうにか保とうとナーガルはクラクラしながらも踏ん張った。
その間も一番弟子の攻撃は止む事がない。
RENAがマジックバリアをかけてくれたのが飛びそうになる意識でもわかった。
次第に意識がはっきりとし、ナーガルは反撃に出た。
ナーガルと一番弟子の攻撃の応酬が続く。
魔法を使いながら段々ナーガルの方が優勢になり、一番弟子はあちこちが焼け焦げてきた。
形勢が不利である事を感じ取った一番弟子は素早く指で空を切るように何やら魔法陣を書くと、ナーガルの胸の辺りに押し付けた。
ナーガルは一瞬何が起こったのかわからず、後ろに飛んだが、特に体に異常がないことを素早く確認し、左手に魔力を集中させた。
しかし一向に魔力の集中が起こらない。
焦ったように一番弟子の攻撃に応戦しながらも二度三度魔力を集めようとしたが魔力が集中する時に発せられる不気味な赤い光がなく、左手は青白いままだ。
「てめぇ…!俺に何をした!!」
相手は意地悪くニタニタ笑っている。
その瞬間、「カオスサイレンス」という文字がナーガルの頭の中を駆け抜けた。
「こいつ…!」
やってくれるじゃねぇか、とばかりにナーガルはシニカルな笑みを浮かべた。
カオスサイレンスは体内に流れるマナの流れを完全に止めてしまう。
そのため、マナを必要とする技が一切発動しなくなるのだ。
どの種族も多かれ少なかれ血の流れとともにマナの流れに依存している。
そしてこれは多くの攻撃魔法を扱うダークエルフやエルフのテンプラー、回復魔法や補助魔法を扱うプリーストにとっては致命的だ。
その時、呪文を詠唱する声が聞こえ、声の主が一言叫ぶと見えない何かが降ってきたかのように一番弟子がよろめいた。
エルフの、それもプリーストの攻撃魔法、マレアマインドだ。
神聖属性を扱うエルフの魔法はほとんどの相手に対して大きなダメージを与える。
まして邪悪な存在にはことのほか効果が大きい。
「古えの姿に戻りし杖よ…俺に力を…!」
ナーガルはザカリアスの激情を祈りを込めて握りしめると杖自身が生み出す魔力の固まりを一番弟子にぶつけた。
マナの流れは止まってしまおうと、杖には元々の魔力が備わっているので全く攻撃ができない、というわけではない。
武器がそもそも持っている持ち主の魔力や打撃力に感応し、よりダメージが上がるようになるからだ。
ナーガルは杖の魔力だけで一番弟子を倒した。
後には魔力の炎によって燃え残った灰だけが残ったが、風が吹いて灰が吹き飛ばされると、後には一冊の本があった。
タイトルこそ書いていないが、目的の秘伝書だろう。
そっとそれを拾い上げると、丁寧に埃を払った。
「戻ろっか、RENAちゃん」
「あいw」
〈続く〉
_____
懐かしいね…。
このMOBはスタンとカオスサイレンス使ってきたんだよねぇ…
当然ポイントの関係上サイレンス解除とか持ってるはずもなく^^;
戦闘シーンって難しいよね!って落ちで終わろう…
読んでくださる人がいるのはありがたいけれど実際に「見てます」と言われると穴を掘りたくなる微妙な心境の今日この頃
《END》
スポンサーサイト