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メイジの夜明け 2

魔法フォーラムは何度か遠くから見た事はあったし、近くを通る事もあったため、迷う心配はなかった。
建物に入ると銅像のような魔法師の天秤がまず目に入った。
奥の研究室に入るとパスカル・ヴィスティールが何やら書類を見ているようだったがナーガルに気付くと顔を上げ、手に持った書簡を見てにっこり笑った。

「君、ウォーロックになりたいのだな?」

「ああ」

「本当に強い魔力、何者をも近付けぬ力、近づく者には死に神が訪れるであろう力…それを本当に心の底から望むのか?」

「もちろんだ!」

「よろしい。君の中の力、私が目覚めさせよう。だが私には国王陛下に君をウォーロックとして推薦する権限はない。ほとんどの権限は譲り受けたが先代が推薦の権限は渡してくれなかったのでね。そういわけだから、先代の代表で今のフロックス神官アンデリクの所へ行ってムーンストーンの魂の錘をもらって来い。ウォーロックへの道はそれからだ。さあ、グズグズせずさっさと行け!」

追い立てられるようにナーガルは外に出るとモント雑貨屋に立ち寄ってフロックスの神殿ポータルを買った。




フロックスの神殿にはエルフとダークエルフのハーフだというアンデリクがいた。
ナーガルが事情を話すとアンデリクはムッとしたような顔をした。

「ムーンストーンのソウルケースはここにはない。あれは欲しがるやつがいなかったからもう手放してしまったんでな。欲しければハンマーを貸してやるからとって来い。ただし、守る力がいるから倒せたら…だがな」

そう言うとアンデリクはハンマーをナーガルに渡し、ふいと背を向けた。
ナーガルは悔しげにハンマーを握りしめたが、気を取り直してカバンに仕舞うと再びモント入口のバインドに飛んだ。

「ファルシャ!シルバの足取りかなにか足が早くなるグッズクレw」

「おまえなぁ…。そういうのは…テルにしろよ。ギルド回線で呼び出すな。」

頭痛がする、と言わんばかりの様子でファルシャがモント入り口バインドに姿を現した。

「ま、ウォロ試験がどんなものかは俺は知らないが…足はあるに越した事はないだろうな」

ちょっと待ってろ、とファルシャがふらりとどこかへ行くと、すぐに自分の馬を連れてきた。
それは巨大な蜘蛛のような生き物で、ダークエルフだけが飼い馴らす事ができるガストという生き物だ。
ガストは何となく主であるファルシャの気持ちを読み取っているのか、落ち着かないと言わんばかりに8本の足をがちゃがちゃ鳴らす。

「え!?炎姫様から頂いた大事な馬って…」

「乗っていけ。今は俺よりお前の方が必要だ。」

「サンキューファルシャ!」

「さっさと行ってこい。もし死にそうになったら俺を呼べ。できる限りのことはする積もりだ。」

ゲシッ!

「おわっとっとっ!」

平素は無口で力は全然なさそうなファルシャにしては珍しい渾身の蹴りを食らって、ナーガルはつんのめるようにモント入口前バインドから出ると借りたガストにまたがりそのままエドゥアドロ公演場に向かった。
バインドを出て最初に西に続く道をガストと共に走っていくと目的の場所が見えてきた。
今はただモンスターが徘徊するだけだが、公演場というだけあって舞台のような構造をしており、昔はここで演なが演じられていたのだろう。
柵の中に入り、ムーンストーンを探すために建物の周りをしばらく徘徊しているとそれらしき物体が胸の高さに浮遊していた。
そっと触れると確かにそれとわかる反応があり、借りたハンマーも微かに振動している。
杖を左手に持ち替えハンマーを振り上げ、打ち付けた瞬間、おびただしい光が溢れ思わずナーガルは目をつむった。
光が収まるとそこにいたのは巨大な岩の固まりのモンスターの姿があった。

「なんてでかさだよ…!ドレイクだってここまででかくないっつーの!」

ナーガルは知らないだろうが、ファルシャが見たら間違いなく無言で気絶魔法を掛けてあらゆる魔法攻撃をした事だろう。
彼はラコン3階の巨大な岩でできたモンスター・ノームに対して酷いトラウマを抱えている。
しかし、そんなこともつゆほどにも知らないナーガルは、ハンマーを投げ捨て、左手に持たせていた杖を右手に持ち替えると光る魔力の固まりをノームに投げ付ける。
ノームの一部が魔法の炎で焼けるが、岩属性のノームにはさほど大きなダメージではないのか、逆に怒りを露わにして巨大な腕を振り下ろしてきた。
余裕の様子でかわし、ノームが腕を上げたところを見るとわずかに地面にくぼみができていた。

「でかい図体に似合うすばらしい怪力だな。俺も中途半端なことはしてられねぇってか!」

瞳を怪しい光を宿らせ魔力を高めるダークアイズ魔法の呪文を素早く唱えると横薙ぎに払ってくるノームの腕をしゃがんで回避する。
ノームはますます怒ってめちゃくちゃに腕を振り回して攻撃してきたが、それをかわしながら今度はもっと魔力を強めてノームを攻撃すると、ノームの片方の腕が大きな音を立てて地面に落ちた。
ザカリアスという古の武器である杖の魔力とナーガル自身が持つ魔力はそれ程弱いとは言えないのに思ったよりも時間がかかった。
ようやく魔法が生み出す炎でムーンストーンのノームを焼き尽くすとそこには透明な薄紫に輝くムーンストーンの目だけが残った。

「こいつがムーンストーンの目か…。あんなごついモンスターからよくこんな綺麗な物が…いや、岩属性モンスターだからかもしれねぇな…」

それをカバンに仕舞うともう一度フロックスの神殿に急いだ。
バインドからでると神殿周のモンスターに構っている暇はないと言わんばかりにガストで走り抜けた。
ムーンストーンの目をアンデリクに差し出すと非常に驚いた表情になり、ぽつりと呟いた。


「まだ心の中に炎が燃え盛っている者がいたとは…」

しばらくムーンストーンの目を見つめると意を決したようにナーガルを見た。

「私はエルフとダークエルフのハーフという事でモントを追い出された」

「なぜだ?エルフとダークエルフのハーフなど…あるわけがないのはモントの常識だ!」

「そう…。だがパスカル・ヴィスティールにとってはイグニス魔法フォーラム代表の地位を得るためにはそんな事はどうでもよかったし周りの人間も知っていて何も言わなかった。私の魔力が飛び抜けていたからだろう。モントではよくある事だ。それでも君は彼らを信じられるか?」

アンデリクはダークエルフ特有の左右色の違う目でナーガルを見据えられナーガルは押し黙った。

ダークエルフの歴史は陰謀や暗闘で染み付いていると言われている。
かの七人の英雄の一人、フロイオン・アルコンも腹違いの兄により陰謀により命を狙われという。
王族でさえそのような争いがあるのだから、権力の座を争う貴族達の間ではもっと事は日常茶飯事なのだろう。

「だからこそ私もあの貪欲と虚栄の都市を信じない。しかし君の事は…君が作り出す次世代は少し信じてみようかと思う。私が抱いた不信を完全に解消したわけではないが、誠意はよく伝わったからな。少し待っていなさい」

そう言うとアンデリクは神殿内の自室に入って行った。

2時間ほど経っただろうか。
アンデリクがようやく自室から出てきた。

「ウォーロックの力を手に入れたいと言ったな。だったらまだやる事がたくさん残っている。ムーンストーンのソウルケースを作っておいた。あの錘が使えるのはモントの魔法師の天秤だけだ。魔法師の天秤がある所に戻りなさい。魂の錘を使って魔法師の天秤の平衡を保つ事ができたら、やるべき事も自然にわかるはず」

そういってナーガルの手にムーンストーンのソウルケースを持たせるとぽつりと呟いた。

「しかし…もし私に君のような弟子がいたら…なんとかあの都市に残って純粋に魔法を研究していたかもな…」


《続く》
______
真面目に詳しく書いたらどんどん長くなっていく気がするんですが、気のせいでしょうか…?

あ、DEは炎属性魔法ということにしてもいいですか…?
その方が何かと都合がよかったりするかもしれないし、フロックス様って炎の神だしね?w

五ちゃ、こんな感じでいいかい?


《END》

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