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癒しと破壊は水の如く…11

そこに見るものは希望か絶望か















ソプデトはしばらく立ち尽くしていた。

「きぃちゃん…私にはまだ自分の中に恐れがあったんだね…」

きぃちゃんはキョトンとしたように首を傾げた。
ソプデトはクスリと笑った。

「大丈夫…オルネラは私がちゃんと倒すよ。私はセイランみたいに割り切って強くはなれないけど、今は、やれる事をやるしかない時だから…」

愛熊のきぃちゃんに話掛けていると向こうから一人のシーエフが歩いてきた。
迷っている暇はなさそうだ。
素早くマジックバリアを掛けると相手に向き直った。

「あなたは…?」

「名を尋ねるなら先に貴女が名乗りなさい」

「私はソプデト。ヴィア・マレアはビビアナ・ナディブ様より遣わされました。あなた方を処断せよとの命令です!」

シーエフはさもおかしいと言わんばかりに高笑いをした。

「そうか!ついにヴェーナが動いたのね!私の名はオルネラ。よく来た、とでも言おうかしら?」

「歓迎の言葉はいりません。お願いですからヴィア・マレアへの敵対は止めてお互いの手の届かない所で平穏に暮らしてください。そうでなければ私はあなたを倒さなければなりません」

「迷い…ね。あいにくだけど私は許すつもりはないわ。癒しの力で万人を癒すなどと言っておきながら病を癒す事が出来なかったヴィア・マレアを貴様は許せというのか?!許すくらいならエルフを皆殺しにして私も死ぬ!!!」

「しかたないのですね…できればあなたと戦いたくなかったけど…」

ソプデトはスタッフをかざした。
オルネラもゼンを構える。
時が止まったかのような睨み合いがしばらく続いた。
そして突然時間が動き出した。
オルネラが間合いを詰めるのと同時にソプデトは金色の光を左手に集めた。
ゼンがマジックバリアの膜に触れるのとソプデトが放った金色の光がオルネラを貫くのがほぼ同時だった。

「最も強く…そして脆い精神エルフにしてはやるわね」

オルネラは今度は飛び上がるとゼンを振り上げて垂直に振り下ろしてきた。
ソプデトは素早くマジックバリアをかけ直した。
マジックバリアの膜にオルネラのゼンがぶつかる。

「これを警戒するとは…貴様、デカン族と付き合いがあるのか」

「何回も、痛い思いしましたから」

今度は斜め下から払うように切り付けてきたオルネラのゼンをスタッフで受け止める。
オルネラはスタッフで塞がれている方向とは反対にクルリと回ると斜め上から切り付けてきたが、またしてもマジックバリアに阻まれた。

「なぜわからない!?私や私の両親が苦しんでいたときにヴェーナはなにもしなかったのよ!?それどころかあの場所を捨てて尽きぬ悲しみとまで名前をつけた!!貴女も見たでしょう?あの寂しい森を…!!」

オルネラが激しくゼンを打ち付けてきた。
ソプデトはスタッフとマジックバリアで防ぎながら杖の魔力と自身の魔法で反撃する。

「見ました。でも!あそこを見捨てた人達だって苦しんだのよ!?今でも悔いていたわ!それにあなたと同じような立場の人達だってたくさんいたわ!!愛する人を見送って!!多くの仲間を見送って…!!何も出来ない無力感に苛まれて…でもちゃんと悲しみを乗り越えてる!もう自分達のような思いはさせたくないって戦ってた!あなたはどうなの?ただ両親亡くした事を嘆き悲しんでいるだけじゃない!!」

ソプデトは掌に集めた金色の光をオルネラにぶつけた。
オルネラは吹き飛ばされて地面に転がったが怒りを露に立ち上がると狂ったようにソプデトに襲い掛かってきた。

「黙れ黙れ黙れ!!貴様は疫病でモンスターになった父親が母親を殺す所を目の前で見た事があるのか!?その父が正気に戻った時、悲しみのあまり自殺した所を見た事があるのか!?」

「ないわ!!でも、一つだけ言える事があるの」

ガキンとスタッフとゼンがぶつかる音がして二人の時間が止まった。

「あなたは長く悲しみに捕われ過ぎたのです。だから…今はあなたを生かすよりは葬り去る方が優しさだという事です…!」

ソプデトは青い瞳に強い意思を湛える目をしてオルネラを見据えた。
それはとても静かな殺気だった。
ソプデトは左手に魔力を集中させると金色の光を集めてオルネラの心臓に位置する場所に目掛けて魔力を解放した。
突如、耳をつんざくような悲鳴が辺りにこだました。
ソプデトはあまりの声に耳を塞いだ。
オルネラがその場に倒れるとソプデトはそっと近付いた。
オルネラは息絶えていた。

「あなたに会えて良かった。残酷さも優しさになる事を教えてくれたのですから…」

オルネラの死体が灰になってサラサラと風に飛ばされて行った。
後に残ったのはオルネラが着けていた仮面と、掌くらいの長さをした緑柱石が転がっていた。
ソプデトは緑柱石を拾ってそっと鞄に仕舞うと、オルネラが着けていた仮面を拾い、抱きしめた。


《続く》
_____
もう何も言うまい…


《END》
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