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それは遥か昔の…【後書き】

ファルシャというキャラがウィザードに転職したのは、2009年8月14日のこと。

奇しくも5年前の今頃の出来事でした。

そして弟のキャラが転職したのは2011年10月30日。

余談ですが、僕の親父の誕生日でした。

このファルシャというキャラは思い入れが強く、名前も僕がオリジナル創作に使うために作った名前で、ファルシャハルト・フォン・ベルシュタウフェン(ベルンシュタイン?)というなんとも長たらしい名前でした。

当初ラコン3Fに当時のメインキャラを送り届けるためだけに作ったキャラクターでしたが、なぜかそのメインを押しのけて自らがメインにのし上がり、初めてカンスト(当時は99)まで行き着いたキャラでもありました。

そして同時にこのファルシャが最後のカンストキャラとなりました。

さて、転職クエストに関してですが、僕は個人的にウィザードの転職クエストは好ましく思っています。

何度もちょっとしたあとがき代わりにしていた部分でも書いていましたが、何よりまず、整合性が高いのです。

また、僕個人の意見として、ウィザードに至るまでの過程を読み返せば読み返すほど、段階を踏んだ構成となっているように思います。

これを書こうと思ったきっかけは特にそういった整合性の高さとストーリーをきちんと把握したうえで、連載を考えたわけではありませんでした。

しかし、思い返すと何となく自分好みのストーリーだった、そういう思いがよみがえってきて、ウィザードに転職させると決めた弟に無理にお願いしてSSを送っていただきました。

そして改めて読み返してみると、なんときれいな構成であることかと感動した覚えがあります。

引退した身の僕が言うセリフではないかもしれませんが、きちんとした世界観の上に、それを生かすストーリーが展開されていると思います。

そういう世界観に少しでも触れていただきたくて、転職クエストシリーズを考え付いたわけでもありますが(苦笑)

確かにもう数年前の古いタイトルかもしれません。

大きなアップデートも期待できませんし、古参と新規の格差は激しく、とうてい埋まるものではないゲームであることは、もはや古参と呼んでも差し支えのないくらいの僕でもそう思います。

しかし、世界観は重厚で、しっかりした設定の上に成り立っていることを伝えたい。

この思いが少しでも伝われば、幸いです。

それでは、長い連載に付き合っていただき、本当にありがとうございました。

これからの大瀧蛮は歌うことに専念したいと思います(マテ

2014.08.07 大瀧蛮


《END》



『それは遥か昔の…』一覧

●第0話

●第1話

●第2話

●第3話

●第4話

●第5話

●第6話

●第7話

●第8話

●第9話

●第10話

●第11話

●第12話

●第13話

●第14話

●第15話

●第16話

●第17話

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それは遥か昔の…【17】

「そこで長い旅も終わったわけですね。」

「ああ。
だが一つの終わりは新しいスタートでもある。
お前ら、誰かから言われたことないのか?」

「あるよ」「あります」

「だろうな…」

ファルシャはふぅとため息をついた。













イグニス地域、首都モント。

ファルシャは現ダークエルフの国王、ジョルジュ・リオナンと対面していた。
全てをリオナンに話すと、リオナンは「そうか」と頷いて玉座から立ち上がってファルシャのところまで下りてきた。

「目を閉じよ。朕の国民、信頼されるメイジよ。汝は自分の目標に向かって忠実に修練を積み、汝を信頼する者を満足させ、様々な試験で優れた魔法能力を見せてくれた。断絶の儀式が何度も汝に強調したように、フロックスの影から抜け出しなさ、我々の誕生はフロックスから始まったが、彼の役割はそれで終わりになった。これからダークエルフが追求すべきものは自らの栄光とはんえいだけだ。闇の群れの中に歩き入り、君の目標を果たしなさい。」

リオナンの手のひらが光ったと思うと、ファルシャは意識をどこかに吸い込まれるような感覚に襲われた。




「またここか。」

「またあなたなの。」

彼女が立っていた。

「さっきはやってくれたわね。でも、忘れないでいてほしいの。あなたはこれからずっとあなた自身と戦うことになる。それから、私は色んな世界でのあなたの姿の一つなのよ。もし別の世界に行ったらこの姿になることもあってよ?私はあなたの眠っていた魔力だけど、たまたまこの姿を借りただけ。」

「そうか。お前は本当に俺だったわけだな。少し安心した。」

「フフッ。固い性格の割にはやわらかい心を持っているのね。そうそう、あなたにかけられた呪いだけど、あれは呪いでもなんでもなくてよ?確かにあなたはこれからずっと守りたいもののために力を求めて苦しむことになる。けれどそれは守りたい存在がいる者は誰でもそうなの。だからあれは呪いなんかじゃないわ、むしろ、預言といったところね。」

「フンッ!ある意味俺は祝福されたわけか。」

「そう捉えるのはあなたの自由だけれどね。そうね、そう前向きに考えられるあなたになら、あなたの中の力になってもいいわね。じゃ、もう会うことはないけれど、あなたに会えてよかったわ。あなたの魔力として存在することを私は誇りに思うわ。手を出して」

彼女は右手をファルシャの方に向けた。
ファルシャもそれにならって彼女の手に自分の手を合わせた。
途端に彼女はまぶしい光に変わり、ファルシャは思わず目を閉じた。




ファルシャは意識を取り戻した。

「目を覚ませ!もう汝をメイジと呼ぶ者はどこにもいない。これから汝はイグニスの中でも外でも、ロハン大陸の何処にでも我が群には歓迎される存在、的には果て無く恐ろしい存在であるウィザードになったことを国王の名で宣言するのだ。」

しばらく呆けた方に自分の右手を見つめていた。

「どうした、それが汝がここに来た目的ではないのか?さあ、汝の魔力の封印は解き放たれた。その後どうするかは汝しだい。行くのだ、汝の戦いをするために!」

「御意」

ファルシャは一礼すると王宮を後にした。
その日の天気は快晴だった。













「…というのが、ことの顛末だ。少しはお前らの興味を満たせたか?」

「少しじゃねーよ。ウィザードって知らねぇ世界だからさ、俺にとっては新鮮だったよ」

ナーガルは届いていた飲み物を一気に飲み干した。

「なんというか、エルフは人のために、守護のために、というのが徹底されているのに、ウィザードは自らの戦いのためにっていうのが、同じエルフと名を冠する者同士なのに、違うのだなと思いました。」

「あぁ、だが、力を求めて次のステップへと目指すのはどの種族も同じだ。確かに俺たちダークエルフは自分のための戦いかもしれん。だが、自分のための戦いが誰かを守らないわけじゃない。俺はそう考えてる。」

そこへ頼んだ料理が届いた。
ナーガルとソプデトはその料理を二人で取り分けて食べ始めた。
ファルシャは黙って紅茶をすする。

この何気ない幸せが続けばいい。
そのために俺は力を求めたのだから。
俺や最初に兄弟に迎え入れてくれたセイランが血を流してこの兄弟たちを守れるのなら、それで十分だ。
こいつらには神が仕組んだ滅亡とか、種族同士の争いなど気にせずに生きてほしい。

だが、同時のファルシャはこの兄弟たちが先から盟約を結んで家族として構成されている自分たちの役に立ちたいという願望があることも知っている。

せめて、この平和な時間が続けばいい。
そう…昔俺がウィザードになろうと決めた時に守りたかったものはこういうものだったのだ。

それは遥か昔の思い出。


〈終わり〉
_____
軽い気持ちで始めたのにつぶされそうな位重たかった…

やっと終わることができた…

この安堵感でいっぱいです^^:

最後まで読んでくださった方(いない気だけがしてるけど…)、ありがとうございました。

転職クエストのSSにつけられたセリフを書き写すだけの作業なのにどうしてこれほどの時間がかかってしまったのか…私にも理解しがたいです。

SS送ってくださった最愛の弟に感謝いたします。


2014.08.07 大瀧蛮



《END》

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それは遥か昔の…【16】

「それって意識の底ってやつだよな?俺もあそこには俺自身がいた。しっかし、自分を攻撃して相手を制するなんてよく考えたよなー…。俺なんて受け入れるだけで精いっぱいだった。」

「きっとお前のほうが正しい。
自分を知り敵を知らば百戦危うからずと言うだろう?
俺は俺自身を倒すことができなかった。
いや、俺自身だからこそ倒すことができなかったのかもしれない。
だが俺はそれでも後悔はしていない。
きっとあれは意識の底で見た幻影かもしれんが、同時に俺自身の魔力も解放させることになった。
ナーガル、お前にとってはそれは負の感情を受け入れることで、俺にとっては魔力を俺自身にぶつける恐怖を克服することで受け入れたのかもしれない。」

「難しいこと言うよな~」

ナーガルは頭を抱えた。













アイバフ地域、渦の海辺。

『死んだか。なんともあっけないことよ。』

古代神官は冷めた目で倒れているファルシャを見下ろしていた。
動く気配がないことを確認すると、古代神官はファルシャに背を向けた。
その瞬間、ファルシャの指がピクリと動いた。

「うっ…」

ファルシャは杖を握りしめて起き上がった。

「待てよ…!」

驚いたように古代神官は振り向いた。
そしてさらに驚いたかのように1歩後ずさった。
赤黒いまがまがしいオーラがファルシャの周りを渦巻き、目が異様なまでに爛々と輝いている。
左手に炎を集めると、その魔力の炎に呼応するように周りの赤黒いオーラが強くなり、その一部が魔力の炎を包み込むように移動する。

『貴様…!自分で魔力の封印を解いたというのか!』

「フンッ!封印かどうかは知らんが、俺はありがたくこの力を利用してあんたを倒す!」

ファルシャはあらゆる攻撃魔法を古代神官に浴びせた。
それは先ほどとは異なり、確実に古代神官にダメージを与えた。
弱った古代神官は最後の力を振り絞るように杖を支えに立ち上がった。

『ククク…!貴様に一つだけ呪いを残してやろう。貴様は永遠に力を求め続けなければならん!どれほど強くなろうと…どれほど尊敬されようと、貴様の心は満たされることなくあくなき魔力の探求を続けるのだ!ははははははは!』

「ほざけ!!!!!」

その言葉とともに放たれた魔力の炎で古代神官は燃え上がった。
そして後には一本の杖だけが残された。
その杖を拾い上げると、大急ぎでフロックスの神殿に戻った。




イグニス地域、フロックスの神殿。

戻ってきたファルシャに、アンデリクは驚いたように瞠目した。

「まさか本当に行ってくるとは思っていなかった…。君の気持はよくわかった。跪いて聞きなさい。」

ファルシャは無言で跪いた。

「ヴァイエルン・アルマンにも説明されたと思うが、今まで私達は私たちに何の慈悲も興味もないフロックスに盲目的な信仰をささげてきたのだ。しかし、私たちに帰ってきたのは滅亡の運命だけ。これからダークエルフはフロックスに対する信仰を捨て、自主的にダークエルフの運命と魔法を創っていくのだ。こちらへ来なさい」

そう言われて案内された場所は、フロックスの神殿の裏側にある熱い溶岩が流れる川だった。

「紅炎のトカゲの目を燃やす時に、今まで持っていた世界への視野も捨てなさい。」

ファルシャは無言で紅炎のトカゲの目を溶岩の中に投げ込んだ。
それはしばらく溶岩の中をゆっくりと流れていたが、やがて解かされて消えていった。
フロックスを信じ崇める者が目として使っていた存在。
その目を燃やすことで、フロックスというダークエルフにとって絶対的な存在として見ていた自分の目はもうなくなるのだろう。
この試験を通してファルシャは様々なことを学んだ。
そしてフロックスはファルシャにとってはもはや絶対的な存在ではないのだ。

「そして、火山の杖を燃やす時に、今まで持っていたフロックスへの信仰も捨てなさい。」

その言葉に、ファルシャは少し火山の杖を見てから溶岩の中に投げ入れた。

さようなら、俺たちを作ってくれた神よ。あんたが俺たちを作ってくれたことは感謝している。だが、俺たちの救いを求める声を聞かない神は俺たちにとっては必要ないんだ。これからは俺たちが自分で未来を切り開いていくしかないんだ。

投げ込んだ杖は一瞬溶岩の流れに乗ったように見えたが、次の瞬間炎を上げて燃え尽き、跡形もなく消えた。
しばらくファルシャとアンデリクは無言でその場にたたずんでいた。

「君に私の昔の話をするのは良いことかはよく分からないが、私はパスカル・ヴィスティールにほぼ追い出されたようにフォーラムの代表席を奪われた後、もう飾り気と虚栄しか残っていないモントに残りたくなくてここまで来たのだ。私は本当にモントに失望した。」

「じゃあなんであんたは遠い場所に行かなかった?」

アンデリクはシニカルな笑みを浮かべた。

「実はここにも残っていたくなかったが、ジョルジュ・リオナン陛下の命を受け、フロックスを拒否する儀式を何千回も行っているのだ。上の者が模範を示すべきだという名分を出されてな。これはアイロニー(皮肉)だと思わないか?フロックスの大神官である者にフロックスを拒否する儀式を行わせるなんて!」

「それがあんたの本音ってわけか。じゃああんた自身はどうなんだ?」

「私か?私はフロックスを信じるも何も、ダークエルフが信じることができないことのほうが先だ。それに、もし本当にフロックスを信じていたら陛下の命令とはいえこんなことをするはずがないだろう。少なくともフロックスからの罰を恐れてとうの昔に辞任するだろうな。」

その言葉にファルシャはフッと笑みを浮かべた。

「あんたみたいな素直なダークエルフが神官でよかったよ。古代神官のように盲信的な奴はお断りだ。」

「君も大概素直だな。だが、私には君のそういうところが好ましい。君がウィザードになるためにどんな過程を経てきたのかは知らん。しかし、君の中にある魔法に対する情熱と君が目指している確実な目標があるということはわかる。では早くウィザードになるのだ。ウィザードになって今まで君が知らなかった力と知恵を得、より強くなれ。君の世界が君の目の前に開かれるように。モントに戻ればジョルジュ・リオナン陛下が君の魔力を解放してくれるだろう。私のモントへの失望は大きいが君なら信じてみてもいい気がする。」

「あんたみたいなダークエルフに会えてよかった。心遣い感謝する。」

「君の未来に期待できるな。ここまでにも君の名の知らせた伝わってくるように願う。このイグニスの果てにある辺境の地までな。そうすれば止むを得なく伸ばしてきたこの命も少しは喜べるだろう。では、行け。このたびがウィザードになるための最後の旅になるだろう。」

「かたじけない。」

カバンの中からタウン帰還のポータルストーンを取り出すと、「モント、ダークエルフタウン」とつぶやいて石を頭上に投げてモント入口までワープした。

「これから君は神ではなく、自分のために長い戦いを始めるようになる。がんばるのだ。」

その呟きは神殿のフロックスをかたどった像だけが聞いていた。


〈続く〉
_____

ぇ…いつ終わるんw



《END》

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それは遥か昔の…【15】

ポツーンと水が落ちる音でファルシャは目を覚ました。
あたりは誰もいない、暗闇だけが広がる空間だ。
自分の姿が見えるのは、どうやら自身が発する光のおかげらしいが、それ以外は何も見えない。
しかし、不思議と恐怖は湧いてこなかった。
それどころか、安堵すら感じるのはなぜだろうか。
それでも光がほしくなって左手に魔力の炎を灯す。
すると、遠くできらりと光る何かが見えた。
いつでも攻撃できるように杖を握りなおして光の見えた方に歩き出した。
どうやらそこには人がいるようだ。
黒い人影のような人物がそこに立っていた。

「誰だ…?」

その問い掛けに影はフっと笑った。
声をかけたことで存在を隠す意義を失ったのか、その影ははっきりと人の姿を成した。
青い瞳に銀色の長い髪は高い位置でツインテールとして結ばれている。
一見すると軍人にも見えそうな服装だが、小さな花が付いたカチューシャのようなティアラと紫色の袴がその印象を和らげているのと、右手には雪だるまのようなパペット人形と、左手には大きな雪の結晶のような派手な杖を持っていることが、彼女を魔法使いだということを表していた。

「お前は誰なんだ?」

「私はあなた。あなたは私」

「俺…だと?ふざけるな!」

「ふざけてなどいないわ。あなたが光なら私は闇。あなたが男なら私は女。」

彼女は歌うように言葉を紡ぐ。
ファルシャは何も言わず炎を魔力で増幅すると、影に向かって放った。
影がフっと笑い、右手を突き出した。

「永遠的暗闇(エターナルダークネス)」

途端に炎の塊が渦巻く闇に掻き消された。
ファルシャは驚いたように目を見開き、影は楽しそうに笑う。

「言ったはずよ?私はあなた、あなたは私。あなたの攻撃は私には効かないわ。もっとも、私があなたである以上、私はあなたを永遠の暗闇に突き落とし、あなたに成り代わることはできるのだけれど。ウフフ。さあ…始めましょうか」

ファルシャが再度炎を召喚すると影は闇を召喚した。
同時に彼女も左手に炎を召還した。

「灰になりなさい!」

「塵と化せ!」

二つの火の玉はぶつかり合って消滅した。

「ウフフ、腕試しはここまでよ?ここからは本気で行かせてもらうわね。」

「何?!」

「ほんの少し熱いだけよ?お~っほほほほ」

グルンと杖を1回転させるとファルシャの方に向け、杖の先から炎を噴射した。
とっさにシールドを張って耐えると、範囲攻撃をあてるためにローリングすると彼女のほうに走り寄った。
当然彼女はそれを予想していたのか、ニッと笑うと杖を振り上げて力強く地面を突いた。

「燃えよ!ファイアウォール!」

途端に足元から火柱が立ち上り、ファルシャを宙に舞いあげた。

「フフッ残念だわ~。私はあなたなのに、あなたはこの程度なんて」

「クッ」

「力を求めたのではなかったのかしら?それなのにあなたは自分自身にも負けるのね。我ながら不甲斐無い!そんなことでは誰も守れなくてよ?」

彼女は見下すような、それでいて憐れむような目で倒れているファルシャを見た。

「あなたはあなた自身である私にすら勝てない。あなたはこれ以上は強くなれない。おわかり?」

「クソッ」

ファルシャはこぶしを地面にたたきつけた。

「さあ、もう終わりにしましょう?その体、私によこしなさい?」

彼女はパペットをしまうと左手に闇を召還し始めた。

このままでは俺は闇に飲まれて俺ではなくなってしまう。しかし今の俺には自分に勝てる術がない…!どうする?!

「ふふふ、安心して?自分の魔力に飲み込まれたダークエルフはあなただけじゃないのよ?それでも神はあなたを助けない。非情なことね。さあ、もう終わりにしましょう。」

集まった闇が一段と大きくなる。
しかしファルシャは思いついたかのようにフッと笑みを浮かべ、立ち上がった。
そして自身もあらんかぎりの魔力を集めて炎を生み出す。
さっきの古代神官との戦いの中で魔力は尽きたように思っていたが、そうではなかったようだ。
まだ、自分の知らない力が残っている。
彼女と同じくらい炎を生み出すとおもむろに手のひらを自分のほうに向けた。
これにはさすがの彼女も焦ったようだ。

「やめなさい!!!そんなことをしたらあなたは本当に自分の魔力で焼き尽くされてしまう!!自分の身が惜しくないの?!?!?!?!」

「フンッ、この程度で焼き尽くされるなら元より俺にウィザードになる資格なんぞない!俺はあんたを倒せない…だが、あんたは俺だ。ならば俺自身を破壊するしかあるまい。」

「やめて…!やめなさい!」

ファルシャは彼女のほうを見てニヤリと笑うと、ためらいもなくすべての魔力を自分自身にぶつけた。
彼女は悲鳴を上げながら消え去り、ファルシャは自身が焼かれるような、それでいて何かから解放されるような感覚を味わった。
赤い炎の渦から次第に白い光へと変わり、ファルシャは思わず目を閉じた。


〈続く〉
_____
そこで完結しようよ大瀧蛮よ…と思わずにはいられない

だ…だって…このまま終結まで書いたらものすごく長くなるじゃない!><

ただでさえ文字ブログな上の見づらい読みづらい創作で見てる人もないのにこれ以上見づらくする義理なんてないじゃない(´・ω・`)

ひとまず@1回か2回くらいで終結+あとがき

なげぇ(´・ω・`)
軽い気持ちで始めた割に重たいわ…



《END》

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それは遥か昔の…【14】

「フロックスを信じる自分との戦いだったわけですね?」

「そうとも言うな。
まあ本音を言えば俺はそこまで信心深いわけでもなかったが、フロックスのことは伝説で聞いて嫌いではなかったからな。
しかし、すくなくともメイジのうちは多かれ少なかれフロックスへの思慕にとらわれているのだと思い知らされた出来事ではあった。
ここから先はここで話すことではない。
ひとまずここから撤収だ。」

「お…おう」

そう言うとファルシャはさっさと露店をたたんでいきつけの酒場で個室をとって話を続けた。













アイバフ地域、渦の海辺。

自らの魔力を古代神官にぶつけることで、魔力の相殺を狙ったが、それでも完全に抑えきれずに相殺されなかった部分がファルシャに当たる。
マナのシールドによって致命傷にはならないものの、それでも完全に無傷というわけでもない。

『ククク…!我はフロックスの加護を受ける者。その我に魔力で適うと思うな!』

「いい気になるなよ…!」

ファルシャは再び左手に魔力を凝縮させると、その塊を古代神官に投げつけた。
それはきれいにヒットしたように見えたが、同じく魔法を使うためか、相手にとっても大したダメージにはならないようだ。

『フハハハハ!それしきの魔力で我は倒せぬ!』

「フンッ!それはどうだろうな」

左手を空に向けると古代神官の頭上に炎の雨を降らせた。
続いて毒の光を召還し、その手を今度は地面に振り下ろすと閃光で古代神官を攻撃する。
さらに追い打ちをかけるように魔力を集め、爆発する魔法をかけると投げつけた。
全ての魔法を出すと、古代神官は黒々とした煙を上げてその場に浮いていた。

「やったか?!」

『お前の魔力はその程度か?』

「なんだと…?!」

古代神官はうつむいていた顔を上げてにやりといやな笑いを浮かべた。
攻撃魔法は確かに当たっていた。
しかし、当たっていたことと効くことはイコールではないことをファルシャは知った。

『身の程を知れ若造!!!!!』

古代神官は杖を掲げると巨大な炎を召還し始めた。
一目で直撃すればただでは済まないことを直感したファルシャは、あらんかぎりの魔力を込めてマナをシールド化する。

『我に歯向かったことを後悔するがいい!!!!!!!!!!!!!』

放たれた炎を受け止めるが、徐々に押されて後ろに下がっていく。
使い慣れないマナをシールド化する魔法も、魔力の限界がきて破壊されるのが目に見えている。

どうすればいいんだ…!俺は…俺はこんなにも無力だ…!俺にもっと力があれば…!そうだ、弱い俺が悪い!力のない俺が悪い!なぜ俺に力がないんだ…!






そうか…だからウィザードになりたかったんだ…!






そう気づいた途端、ファルシャの意識は途切れた。


〈続く〉
_____
キリがいいのでここで切る。

次で終われるのかしら(´・ω・`)

書いてて思う…末期厨二病だわ…


《END》

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それは遥か昔の…【13】

「フロックスの神殿かぁ~。俺もウォーロックになるときに一番最初に行かされたな~」

「フロックスを創造主としてあがめる俺たちには重要な場所だからな。」

「私たちエルフにとってのマレアみたいなものですからね…」

うんうん、といかにも神を信じていない風のナーガルがうなづいたことにファルシャは思わず吹き出した。













イグニス地域、フロックスの神殿。

「断絶の儀式を行いに来たと言ったのか?ウィザードになりたいメイジなのか。」

不機嫌なアンデリクに迎えられてファルシャはいささか戸惑っていた。
これはいったいどういうことなのだろうか。
確かに突然訪問した自分にも非はあるかもしれない。
エミリタ・リオナンも言っていたように、ウィザードになりたいメイジは多い。
しかし、だからと言ってこの扱いはいかがなものかとファルシャは真剣に考えた。
ひとまず、一連の事情をアンデリクに話した。
するとアンデリクは腹立たしそうに鼻を鳴らしてぶっきらぼうにこう告げた。

「一度だけいうからよく聞け。ロハン大陸にはまだマレアの痕跡が残る女神の泉や、下位神の住む天空の城ラコン、ロハの痕跡が強く残るグラット要塞のような神の痕跡が至る所に残っている。その中でもアイバフはフロックsの痕跡がより多く残されているところである。君は今からアイバフ地域に行き、渦の海辺というところを探せ。あそこにはまだフロックスを崇拝する者たちが残っているのだ。」

「あ…あぁ、わかった」

「30分だ。」

一瞬何のことかわからずにファルシャは目を瞬かせた。
その様子にアンデリクはさらに苛立ちを募らせたようだ。

「君がどんなに強い魔力と将来性を持っているとしても、私にはただ私の時間を邪魔する存在にすぎない。いつまでも待つ気はない。正確に30分やろう。これほどの時間を与えられたことを感謝しなさい。30分以内に渦の海辺で紅炎のトカゲと古代フロックス神官の魂を倒し、その証を私にもって来い。紅炎のトカゲの目を2つ、火山の杖を1本、これをもって来れば儀式を行ってやる。さあ、私は忙しいのでね!!!」

ぴしゃりとそう言い放つとアンデリクはさっさと神殿の奥に戻ってしまった。
その様子に妙な苛立ちがファルシャの中で湧き上がってきた。
アンデリクの「やれるもんならやってみろ!お前なんかにできるわけねーだろ!!」という挑発が、彼の中に潜む闘争心に火をつけたのである。
ダッシュで神殿を出ると、外に待たせていたガストに飛び乗り、神殿から近い場所にあるワープゲートに向かって走らせた。




アイバフ地域、災難の沼。

ファルシャは沼に沿ってガストを走らせ北上していった。
目指す渦の海辺はイグニスとアイバフをつなぐゲートと、癒しの森バインドの中間にあるたが、イグニス地域から北上するほうが安全であることは、姉のセイランからいやというほど聞かされている。
アイバフはなんともさみしい場所だ。
北の癒しの森手前までは樹木は立ち枯れ、隆起が激しい地形のため、場所によっては昼間も日の光が差し込まない場所も多い。
全体的に生気が感じられない。
さらに、西側には亡者の都市と呼ばれ、グールが徘徊している場所もあり、ファルシャは何度来ても好きにはなれない。
ともあれ、ファルシャはひたすら北に向かってガストを走らせた。
するとそれまで細かった道が開け、右に行くと海辺に、左へ行くと深い谷の合間へと続く分かれ道のような十字路に出た。
ファルシャは海辺へと続く右の道へと進んだ。
ガーゴイルのようなモンスターをよけたり、倒したりしながらようやく海辺にたどり着いた。

「ほう、あれが紅炎のトカゲか…」

海辺には2匹の真紅の巨大なトカゲが歩いていた。
真紅の体に燃えるような炎、非常に強そうだ。
杖の先に魔力を集めると、トカゲに投げつけた。
魔力が当たったトカゲは驚いたようにあたりを見回していたが、その隙にファルシャは左手に魔力を集めて凝縮し、トカゲに向けて放った。
その攻撃に飛んできた方向を察知したのか、紅炎のトカゲはファルシャの方を向くと、一直線にとびかかってきた。

「フッ…かわいいな」

ファルシャは魔力を集めると、自分の周りにシールドとして生成し、さらにもう一段階固い盾を作って直撃を免れた。
全力でとびかかった紅炎のトカゲは弾き飛ばされた。
しかし、一度相手の手の内を知ってしまえば警戒することは容易となる。
しばらく唸っていたトカゲはおもむろに息を吸い込むと、雄たけびを上げた。
びりびりとした衝撃波が襲う。
その衝撃波により、シールドの上に張った固い盾が破壊された。
そしてもう1匹の紅炎のトカゲが現れた。

「なるほど…!仲間を呼ぶついでに、ってか」

2匹は絶妙のコンビネーションで襲いかかってきた。
1匹の攻撃をかわしてももう1匹が襲ってくる。
このままでは押し切られてしまいそうだ。

「ならば…!」

毒の光の応用として、それを今度は閃光に変えて、さらに電気的な要素を加えて脳天に直撃させて、気絶を狙った。
そのもくろみはうまくいったようで、1匹が気絶した。
もう1匹は直撃したが気絶にまでは至らなかったようだ。
まだまだ魔力の調整不足と改良の余地ありだな、と戦いながらもファルシャは冷静に思った。
1匹が気絶して、もう1匹がふらついている間に素早く魔力を集め、それをトカゲにぶつける。
それはうまく調節されたようで、ぶつかると大きな爆発が起こり、さらに砕け散ってもう1匹に当たり爆発した。
とどめとばかりに2匹の頭上から炎を降らせると、あっという間に紅炎のトカゲは燃え尽きて、目玉だけが残った。
その目玉を素早くカバンにしまったとき

『その方、ダークエルフではないか。』

頭の中に直接響くような声がしたかと思うと急に激しい頭痛に襲われた。

『ダークエルフが何故我の目となる者を害したのか』

「お前…誰だ!!!!!」

その言葉に空中に小さな炎が現れた。
それは次第に大きくなり、人の形を成していった。
しかし現れた人間には赤く燃える翼がついており、明らかに種族ではないことがうかがえる。
体が重圧を受けて思うように動かない。

『我はフロックスを信じ崇める者。ダークエルフよ、何故我に逆らうか。』

「あんたが…古代フロックス神官か。それも魂となった。」

『いかにも!若きダークエルフよ、我に逆らうことはすなわち我らが創造主、フロックスへの反逆と見做し処断せねばならぬが、よいか?』

「フッ…盲信もここまで来ると哀れだな」

『ぬかせ小僧!!!』

ズン!と押さえつけられ、ファルシャはまるでひざまずくかのような姿勢を取らされる。

『我らが創造主フロックスをあがめよ!さもなくば死あるのみ!』

古代神官は杖に魔力を集めて炎を召還した。
体が思うように動かないながらもファルシャは応戦しようと自身も魔力を集めてシールドを生成し、さらに左手に炎を召還した。


〈続く〉
_____
うおぉ!意外と1日で書けた!奇跡!
いや、大変なのはここからよね(´・ω・`)

今回は、SSのセリフ写しがほとんどだったから核の速かっただけで、次回はオリジナルの部分だから苦労する予感大(´・ω・`)

ていうか、雄たけびでバフ引っぺがすとか、ドラネスネタやんけ(´・ω・`)
いやほら、マーセナリーっていう近接職にそういうデバフあるんですよ、ディスエンチャンティングハウルってのが!

う~ん…別に意図したわけじゃないんだけどね

まあ頑張ります。
せめてこの連載を終わらせたい。
※次回作の予定はありません。ドラゴンネストネタしかないヨ

というわけで、月曜までには完結するか!

したいなぁ…

すればいいなぁ…
弱気乙w


《END》

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genre : オンラインゲーム

それは遥か昔の…【12】

「あの姉貴が動くとかほんと嘘みてーだよな。俺の時は何もしてくれなかったのによ…」

「そう言うな。あいつはあいつなりに承名試験を乗り越えて苦労してきたんだ。心配して当然だろう。デカン族の上位職への試験難易度は並みじゃないからな。それに、お前らの時は俺がいたからだろう。とにかく、俺はヴァイアエルン・アルマンのところへ戻った。その時にわかったことだが、俺はどうやら過小評価されていたらしい。まあ、ウィザードになりたいメイジが多すぎたのもあるんだろうがな。」

「見えない魔力を評価するのは難しいことですから…。特にその人の扱う魔力の性質は魔法を使って初めてわかるものですし…」

それは剣も同じだろ、とファルシャはつぶやいた。













イグニス地域、首都モント。
ヴァイエルン・アルマンにエミリタ・リオナンから渡された本を渡すと、アルマンはいくつかの質問を投げかけてきた。
だがそれは、エミリタのもとで教わったことばかりであった。

「あぁ~素晴らしいです!非の打ちどころがありません。どんな質問にも迷わず答える該博な知識。あぁ、本当に美しい光景でした。」

相変わらず大げさでなんともおかまっぽいなとファルシャは思った。
アルマンはしばし感動した後、すぐにまじめな表情に戻った。

「それでは、この本は少しおいておいて、さっきお話しした最後の儀式について説明します。」

コホン、アルマンは咳ばらいをした。

「これから行うのは断絶の儀式と呼ばれるものです。最初にお会いしたときに、いくつかの試練を乗り越えたのちに国王陛下の最終承認を得て、生まれながらに持つ魔力の封印を解く、と説明したことは覚えておられますか?」

その言葉にファルシャは少し逡巡したが、ようやく記憶の引き出しをあけることができたのか、思い出すことができた。
一連の試練はそのための準備段階だったのだと改めて思い返した。
(作者も忘れてました)

「もし、あなたが最高ウィザードであるエミリタ・リオ何さまが褒めるほどの見事な実力の持ち主なら、多分、この断絶の儀式もそんなに難しくはないでしょう。ほほほ」

「何を絶てばいいんだ?」

「察しがよろしくて助かります。この儀式は言葉通り断絶する儀式です。この儀式はウィザードを目指すすべてのメイジが通らなければならない過程です。これは、神から下された滅亡の運命を断ったジョルジュ・リオナン陛下が直接指示したことです。んんっ、詳しいことに関してはイグニス北側のフロックスの神殿にいるフロックスの大神官、アンデリク様が話してくれると思います。あそこに行ってください。」

「わかった」

そう言って、ファルシャはカバンからフロックスの神殿付近バインドのポータルストーンを探し始めた。

「あなたの魔力は恐ろしいほどすごい。僕の王宮魔法師の地位も危なくなりそうですね。ですが…」

アルマンは言葉を切った。
不思議に思ったファルシャがアルマンを見ると、アルマンは意味ありげにほほ笑んだ。

「それを発展させるかどうかはあなた次第です。どんな形にするかもね。本当のあなたはまだ深い眠りの中にいます。それを見つけた時、きっとあなたは恐れと戦うことになるでしょう。そしてその戦いが終わっても決してそこはゴールではありません。新しいスタートですよ。」

「王女にも同じようなことを言われた。ウィザードになっても終わりではない、始まりなのだと。」

「おほほ、一番手ごわい相手は自分の中にいるのです。決してお忘れなきように。」

ファルシャは黙って頷くと、ポータルストーンを頭上に放り投げた。
石は細かく砕け散って、ドーム状にファルシャを包み込むと強烈な光を発した。
光が消えるとそこにファルシャの姿はなかった。
アルマンは意味ありげな笑顔を浮かべていた。

「この儀式の本当の怖さを教えてあげましょうか?それは自分自身の影との戦いなのですよ。あなたが影に飲み込まれないことを祈ります。」


〈続く〉
_____
実に1年7か月以上ぶりの更新です。
お久しぶりです、大瀧蛮です。

最近はカラオケと歌ってみたにはまり込んでまして、ブログ更新が超絶おろそかになっておりました。

本当にWIZの転職クエってつじつま合いますよねぇ…

なんていうか、セリフをどう切り貼りしても無理がない感があって、書いてる方は安心できるというか、書きやすいです。

テンプラーもまあまあ書きやすかったんですが、ウォロほんと書きづらかった(´・ω・`)

次回更新はもう近いうち(できれば今日中、遅くても日曜まで)にしようかなと思います。

次の次くらいに一番書きたかったところを書けるなと、ちょっとどころか相当wktkしてる大瀧です。

ちなみに、この「大瀧蛮」というネームは、絵・歌・文字など、創作の時に使うHNに固定しちゃってます(´・ω・`)

まあ、もう見てる人もないんだろうなーとか思ったり思わなかったり…

もうね、最近ツイッターばっかりなんですよ…あの手軽につぶやけるのが楽しくてたまらないんですよ…
ブログなんてツイッターのつぶやき見て何があったか更新してる状態なんすよ(´・ω・`)

んーと、ゲムアカのIDさらしておきましょうね。
@Ray_ator
レイ・シャルナスでやってます。
どうぞごひいきに…しなくてもよいです><

しかし、ほんと久しぶりの更新過ぎて、前回までどういう内容で書いてたのかさっぱりわからなくなって、とりあえず11話見直したっていう落ちは内緒です…(´・ω・`)

それではまた次回…って見てる人なんてもうねーよなぁ(´・ω・`)



《END》

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それは遥か昔の…【11】

「それで、炎を閉じ込めた箱には何が入ってたの?」

「熱気が形を成して魔法属性のインプの姿をしていた。だが器となるモンスターがあまり強くなかったのか意外と簡単に倒すことができた。そいつを倒すとコアになるフロックスの熱気が出て来たんだ。とても赤い…禍々しいまでの赤…まるで血のような色をしていた。」

「俺達ダークエルフらしいよな~」

そうだな、とファルシャは小さく呟いた。













イグニス地域、首都モント。

「持ってきたぞ」

ファルシャは礼儀のかけらもなく冷めた目でエミリタ・リオナンにフロックスの熱気を床に投げた。
微かに苛立ちのようなものが感じられるのは気のせいだろうか。

「あんた…一体あいつに何を吹き込んだ?」

氷のように冷たいサファイアと炎のように燃え盛る紅の瞳でエミリタ・リオナンを見据えるが、エミリタは一向に意に介さないようだ。
それがますますファルシャのボルテージを上げた。
エミリタは落ち着いた調子でふうと息を吐いた。

「落ち着きなさい。ワタクシは何も教えてはいない。貴方を思うあの子が自分からやったことよ。でもね、よく考えてみなさい。フロックスは貴方を助けたの?あるいは貴方達に殺された魔物を助けようとしたの?」

その言葉にファルシャは息をのんだ。

「もし本当にフロックスが俺達を導く気があったなら俺は道に迷うことはなかった。もし神が俺達を滅ぼす気なら魔物にしかるべき救いの手を差し延べた。神が種族を殺せば、協力した種族は滅ぼさない契約をしたから。だがそうじゃない。俺達が殺し合おうとそれは神がそう仕組んだ滅びだから…か?」

「そう。魔物達がダークエルフの手で死んで行った時、神が彼らを助けてくれなかったように、ワタクシ達が死んで行く時も神は沈黙するはず。だから生き残るためには地上に残っている全ての魔力を利用し、より強くならないといけない。」

その言葉にファルシャはふっと笑みを浮かべた。
彼の中でつじつまが合ったのだろう。
ソファーに座り、エミリタが進めた紅茶を一口口に含んだ。

「なるほどな。だから俺にこいつを取りに行かせたってことか。ククク…面白いな。神の力をもって神を制す。あるいは力を弱めるために神の解体ってことか。いずれにしろ、神にすら反逆を企てる。俺達ダークエルフらしい。」

フロックスの熱気を手に乗せ、サファイアとルビーの瞳をぎらつかせるファルシャの方が、エミリタにはよほど凶悪な魔物に見えることにファルシャは気付いていない。
エミリタは戦慄を覚えながらも、この若いダークエルフの未来に少しの期待を抱いた。
あくなき強い魔力を求める探求心。
優れた魔法のセンス。
ウィザードと呼ぶに相応しいこの若いダークエルフにエミリタは微かに笑みを浮かべた。

「さあ、貴方に最後の教材を渡してあげる。この『魔法原論―ウィザードの全て』さてあれば、貴方もイグニスが認めるウィザードになれるよ。ヴァイエルン・アルマンの所へ行きなさい。それと、最後に一つだけ言っておくわ。」

エミリタはファルシャをまっすぐに見据えた。
その瞳は今までになく燃え上がる何かを感じさせる。
数多の試練を乗り越えた強い意志を感じさせる瞳。
ファルシャは何かに縛られたようにくぎづけになった。

「ウィザードになっとしても終わりではない事を忘れてはいけない。神に立ち向かうかどうかは貴方の自由だが、生き残るための戦いはこれからが始まりだからね。」

「ああ…わかっている。」

ファルシャは恭しく『ウィザードの全て』を受け取ると本を開いた。
じっくり時間をかけて読むと本を閉じてエミリタの元を去った。



「いつまで隠れているの?それとも寝たのかしら?」

静かに客間から寝室へ続くドアが開くとマントを羽織ったデカン族の中性的な顔立ちをした人物が出て来た。

「エミリタ殿、すまなかった。不愉快な気持ちにさせてしまいましたね。」

「そう思うなら心配なんかせずにあの子一人に任せるべきよ。全く…個人単位の種族間のつながりというものは理解不能だわ。」

クスリとデカンは笑って部屋に無造作に詰まれた『ウィザードの心構え』を手にとってパラパラとめくった。
ヴァイエルン・アルマンがウィザード志望のメイジに与える本であり、エミリタは「雑」と称した魔導書である。
エミリタはつまらなさそうにその様子を眺めていたが、デカンに座るようにすすめ、紅茶を出した。
デカンは小さく「ありがとうございます」とお礼を言ってソファーに腰掛けた。

「ファルシャに渡した本は一体どういう類いなのですか?」

私には魔導書はよくわかりませんから、とデカンは苦笑いを浮かべた。
なぜから、竜の騎士ことドラゴンナイトを承名し、戦士としての技を磨くこの人物にとっては、魔法とは無縁だからである。

「以前、エトンとリマ、モントが協定を結び、他種族と熾烈な戦争を起こしたことがあるの。その時にモントの魔法師達は万が一の場合、モントが侵略され貴重な本を奪われる場合に備え、多数の本を燃やし、残りの本は段階別に封印したのよ。」

「なるほど。秘伝術というわけですね。」

「そうね。ワタクシ達はフロックスによって創造されたと言われているけれど、混沌の気運を吸ったエルフから派生したとも言われているのはこ存じ?」

デカンはうっすらと笑みを浮かべて頷いた。

「エルフの手に渡れば、それはダークエルフにとっては脅威になる。ヒューマンに渡ればしかるべき策を練るきっかけになる。だからばれるわけにはいかない、ということですよね」

そう言ってデカンは優雅に紅茶を一口飲んだ。
戦士としての粗野な雰囲気はかけらも感じさせないのは、この人物を育てた者の教育の賜物か。
エミリタは黙って頷く。

「あの子は運が良かったのよ。あれはモントの中でも本当に貴重な物で、ヴァイエルン・アルマンだったら20~30年後にやっと話せるぐらいの上級教材なの。さ、もし少しでもワタクシの教育に感謝する気持ちがあるなら、早く行ってくれない?今晩は舞踏会の準備で忙しいのよ!」

「わかりました。紅茶、ごちそうさまでした。おいしかったです。」

そして部屋にはエミリタだけになった。


〈続く〉
_____
実に半年ぶりにの更新。

書いてて新鮮な気持ちになれましたし、ウィザードの転職クエストってつじつまが合いやすいと思うんです。

私だけでしょうか?

んー@2回くらいで、自分が一番書きたかったシーンを書けるかなー。
ただの自己満足と言われそうですが、ドラネスの某NPCによると、それが最高の快楽だそうでf^_^;

ま、誰も読んでないからねっ

自由に書きますよ!


《END》

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no title

「誰だ…?」

その問い掛けに影はフっと笑った。
それが癪に触ったのか光る人物は無言で炎の塊を召喚する。

「言え。お前は誰だ?」

「私はあなた。あなたは私…」

「俺…だと?ふざけるな!」

「ふざけてなどいないわ。あなたが光なら私は闇。あなたが男なら私は女。」

影の人物は歌うように言葉を紡ぐ。
光る人物は何も言わず炎の塊を魔力で増幅すると、影に向かって放った。
影がフっと笑い、右手を突き出した。

「永遠の暗闇(エターナルダークネス)」

途端に炎の塊が渦巻く闇に掻き消された。
光る人物は驚いたように目を見開き、影は楽しそうに笑う。

「言ったはずよ?私はあなた、あなたは私。あなたの攻撃は私には効かないわ。もっとも、私があなたである以上、私はあなたを永遠の暗闇に突き落とし、あなたに成り代わることはできるのだけれど。ウフフ。さあ…始めましょうか」

光る人物が炎を召喚すると影は闇を召喚した。


〈本編へ続く〉
_____
本編って何ですか大瀧蛮さんwwwwwwwww

エターナルダークネスのスキル効果を知ってる人はすぐにわかりそうだけどね…


《END》

それは遥か昔の…【10】

「その話はいつ知ったんだよ?」

「後から本人が教えてくれた。本当にあいつは昔から余計な世話を焼いてくれる」

「それがいい所なんじゃん。そんな所が好きな癖にさ…」

ナーガルの言葉にファルシャはふっと笑みを漏らした。













ダルベガワン地域、火炎の心臓部。
訪れる人はあまり多くない地域ではあるが、自らを鍛えるために訪れる者はチラホラいる。
ダルベガワンには怒りの奈落、火炎の心臓部、黒魔法の根源といったようにあまりまがまがしいイメージのエリアが多い。
ファルシャは火炎心臓部にあるワープポイントから出ると、地図を広げ、まずはダルベガワン南部の怒りの奈落を探索することにした。
ここはサキュバス、両手に斧を持ったエリートワーウルフ、ケンタウルスのようなエリートセントールがうろついており、更に奥に行くとブロンズ、アイアン、ルーインの3種チェストガードがいるという今のファルシャには些か難易度の高いエリアである。
しかし溶岩溜まりが多いため、真っ先に目を付けたのがここだった。

「チッ…!数が多いな…!」

全部を相手にしていたら間違いなく消耗してやられてしまうだろう。
何よりもまず、魔物から受けるダメージが痛い。
小さな衝撃波や魔力の光線でひるむような相手でもない。
勢いに任せてガストを走らせるが次第にモンスターの数が増えて行く。
瞬間、痛恨の一撃がガストを直撃したのか、急に前足を上げてファルシャを振り落とした。

「くそっ…!さしずめ俺は晩飯ってか…!」

嬉しそうにがわらわらと寄ってくるモンスターにファルシャは小さく悪態をついた。

『マナは一番は精神によって決まり、次点は魔法に対する知識。マナは無意識下で防御行うがために精神を鍛えマナの流れを大きくする者は魔法に対するある程度の無効化ができる。さらにマナをシールドと化する事で、ダメージを削ることもできるわね。また魔法に対する知識を持ってある程度の力の相殺や魔法による障壁を作ってダメージを無効化したり削ることもできる。』

ふと頭の中でサフィエの声が聞こえた。

「そんなの知るか…!」

サキュバスの攻撃を杖で受けながし、その場から素早く右に飛ぶと立っていた場所に今度は別のサキュバスの大きな爪が地面に刺さる。
その深さに背筋に悪寒が走った。
襲い掛かるサキュバスを避けながら、小さな魔力の衝撃波を起こし、ひたすら走り抜ける。
ダルベガワン地域とコワール地域の境目まで来ると、流石に諦めたのか追ってこなくはなった。
落ち着いたファルシャは自分の手をじっと見つめた。

今まで俺はなんのためらいもなく魔力を放出してきた。攻撃こそが最大の防御だからな。だが…もしも集めた魔力を放出せずに自分を守る盾にできたとしたらどうだ…?

「ダメだ…それは恐ろしく高度な魔法だ。俺に扱えるものではない」

瞬間、足元にゼンと呼ばれるデカン族だけが扱える武器が突き刺さった。
それはカシムの勝利と呼ばれる古くから伝わる形態の武器の一つだ。

「ダメかどうかはやってみないとわからないじゃない!」

スタリとマントに身を包んでフードを深く被った人物が崖の上から軽やか降り立った。
どうやら声からすると女らしい。

「誰だ…?」

「誰でもいいわよ。デカン族って事実だけで十分。そうね…あえて言うならあなたは私を知ってる…ってくらいね。」

「何…?!」

ファルシャの左眉がピクリと動いた。
それを見たデカンの女はクスリと笑った。

「そう怒らないでよ。私、あなたのことは高く評価してるのよ?生まれながらの天才魔法師、ウィザードの素質を持つ男。あなたならできる。やる前からできないなんて言ったら…」

女は地面からゼンを抜き、ヒュンと唸らせてファルシャの首元に突き付けた。

「この場で切り捨てるわよ?」

「切り捨てる」と言い放った女が誰かと重なった。
そう、それはファルシャが一番よく知る人物。
フッとファルシャは口角を上げた。
ふぅと息を吐いてファルシャは目を閉じる。

両手を広げて杖を上に向けると、全身が沸き立つような、マナが沸騰するときの燃えるような感覚がした。
まぶたの奥に小さな青紫の炎が見える。

もっとだ…もっと強く…!

そう念じると青紫の炎は次第に大きさを増していく。
瞬間目を開くと一気にマナがほとばしった。
それを今度は自らの魔力で押さえ込むと、次第にマナは幾筋ものリングになり、ファルシャの周りを回りはじめた。
更に魔力を込めるために右手を杖と一緒に突き出すと、薄く広がり、まるでファルシャを守るように体を包み込んだ。

「ほら。やればできるじゃない!」

深く被ったフードから見える口元が笑みを浮かべていた。
それは嫌な笑みではなく、自然な柔らかい微笑みだった。

「ああ…あんたの言う通りだ。だが、こいつは思ったよりマナを消耗するな。」

「ふふっ。そんなの慣れよ?さあ、あなたの探し物のある所へ行きましょう。ここを北に行ったタルベガワン中央部付近の溶岩溜まり、そこにあなたの求めるものがある」

「なぜそれを…」

その言葉は宙を舞ったマントに掻き消された。
そこにたっていたのはすらりとしたデカンの女ではなく、筋骨隆々とした黒いドラゴンだった。
黒いドラゴンに導かれるようにファルシャは元来た道を辿り、炎を閉じ込めた箱の置かれている場所へと向かった。


〈続く〉
_____
え?最後の更新から2ヶ月以上経ってるって?

キノセイキノセイ…

いやほら…厨二病の神様が降臨なさらなかったんだよ…
神様大事(>_<)

そんなわけですが、次回の更新目指して頑張ります@@;


《END》

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プロフィール

大瀧蛮

Author:大瀧蛮
 
 
新生R.O.H.A.N.(装備ゴミの復帰勢)
住所:連合サーバー ロネリアorエルス

キャラ名:ファルシャ
レベル:104
種族:ダークエルフ
職業:精神ウィザード
ギルド:

ソプデト(バフキャラ)
レベル:77
種族:エルフ
職業:精神テンプラー→プリースト(2017.01.17~)
ギルド:InfinityEdge

清藍(気まぐれ)
レベル:87
種族:デカン
職業:ドラゴンセージ
ギルド:InfinityEdge



DragonNest(休止中)
ジェレイントサーバー 10ch

レイ・シャルナス
レベル:93
職業:グラディエーター
ギルド:下手ですが何か(ギルマス)

ファルシャ(放置)
レベル:70
職業:ハイブリッド寄り火型セレアナ
ギルド:下手ですが何か

闘技場で遊ぶキャラ(名前は伏せます)
レベル:70
職業:グラディエーター(ぇ
ギルド:下手ですが何か

月野さんの子
Lv:90
職業:ムーンロード
ギルド:下手ですが何か


こんな感じでゆる~く気ままに活動しています^^

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